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2015 年度 実績報告書

淡水魚中に含まれる未知のヒ素化合物の同定と毒性評価

研究課題

研究課題/領域番号 26670069
研究機関徳島文理大学

研究代表者

宮高 透喜  徳島文理大学, 薬学部, 助教 (50157658)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワードモノメチルアルソン酸 / ジメチルアルシン酸 / 無機ヒ素 / アルセノベタイン / 淡水魚 / カンボジア / ヒ素汚染地域 / メコン川
研究実績の概要

バングラデシュ・カンボジアなどの東南アジア諸地域では、地下水のヒ素汚染による健康被害が現在でも深刻な問題となっている。カンボジアでは、地下水の摂取制限対策が進みつつあるが、生体中のヒ素量は改善半ばである。現地調査の結果、住民はたんぱく質摂取の八割を魚(主にメコン川の淡水魚)に依存しており、魚がヒ素の摂取源になっている可能性は否定できない。食用魚のヒ素含量に関してほぼ海産魚が対象であり、淡水魚中に関する報告は少ない。そこで、メコン川流域淡水魚中のヒ素濃度および化学形態を調べることとした。
現地での淡水魚採取および調査は、徳島文理大学の姫野誠一郎教授に依存した。魚市場で40種の淡水魚と20種の海産魚を入手、写真撮影後、切り身として冷凍保存状態で持ち帰った。総ヒ素量は、マイクロウエーブ灰化後ICP-MS装置を用いて測定した。ヒ素化学形態別分析は、凍結乾燥後水-メタノールで抽出、水に再溶解させ、アニオンカラムのHPLC-ICP-MSにて測定、入手可能な既知ヒ素化合物を対象とし、定性・定量を行った。
淡水魚中の総ヒ素濃度は、最高でも0.09ppmと海産魚の1/50程度であった。また、魚種毎の摂食量調査を併せると淡水魚で約4kg/週/人と多く海産魚の30倍ほどであった。これに魚種毎の総ヒ素濃度を考慮すると、約260μg/週/人となり海産魚の2倍程度の値となった。魚種毎のヒ素化学形態別分析の結果、淡水魚ではモノメチルアルソン酸、ジメチルアルシン酸など有機化合物が多く、海産魚の主成分であるアルセノベタインは少なかった。また、毒性の高い無機ヒ素は約14μg/週/人であった。しかしWHOのヒ素摂取基準に換算すると健康に影響は無いものとわかった。生体中のヒ素は、飲用水の管理も併せて考慮する必要がある。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2015

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] メコン川流域の淡水魚中ヒ素濃度と化学形態2015

    • 著者名/発表者名
      藤森千鶴、宮髙透喜、姫野誠一郎
    • 学会等名
      第25回金属の関与する生体関連反応シンポジウム
    • 発表場所
      長崎県 長崎大学
    • 年月日
      2015-05-30 – 2015-05-31

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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