申請者は腎不全患者の血中メタボローム解析を行い、エリスロポエチン(Epo)産生促進作用のある物質を発見した。そこでその化合物誘導体ライブラリーを合成しEpo産生能を指標にスクリーニングしたところ数種類の物質にEpo産生促進作用、細胞内ATP増加作用、細胞保護作用があることを見いだした。申請者は尿毒症患者の 血中の腎不全物質の解析からある種の内因性インドール化合物にはエリスロポエチン(Epo)産生亢進作用があることを見いだした。その結果化合物番号1-20番は正常酸素下におけるEpo産生刺激能が認められた。更に細胞内ATP濃度を測定したところ構造が類縁する化合物#1-8は細胞内ATP濃度を著明に上昇させシスプラチンによる細胞障害を改善する効果が認められた。また変異ミトコンドリアDNAを導入したミトコンドリア病モデルマウス Mitomice (Nakata K. Nat Med 2001)にMA-5を長期投与 するとMitomiceの生存率上げ、またミトコンドリアにおける酸化的リン酸化の構成蛋白質であるCytochrome c Oxidase (COX)の活性を 上昇させミトコンドリア機能低下を改善させた。
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