特異体質性副作用の発現には患者の遺伝背景の関与が想定され、アバカビル過敏症ではHLA-B*57:01とアバカビルの相互作用が免疫原性を示すことが報告されている。特異体質性副作用の発現が知られる7種類のHLA-B遺伝子型と薬物の組合せで同様の検証を行った結果、B*35:05とネビラピンのみでアバカビル同様の強固な相互作用が認められた。陰性対象との配列比較から抗原提示溝内へのネビラピンの結合が想定され、実際にネビラピン存在下で提示される抗原ペプチドの傾向が変化し、変性HLA蛋白質の巻戻し実験からも支持された。 一方で、B*15:02とカルバマゼピンを含む他の組合せでは更なる解析が必要と考えられた。
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