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2014 年度 実施状況報告書

血液型不適合生体肝移植時の抗体関連拒絶反応抑制を目指した薬物送達システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670079
研究機関徳島大学

研究代表者

石田 竜弘  徳島大学, ヘルスバイオサイエンス研究部, 教授 (50325271)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード血液型不適合肝移植 / 抗血液型抗体 / PEG修飾リポソーム / 抗がん剤
研究実績の概要

本研究では、血液型不適合肝移植において、超急性拒絶反応の主因となっている抗血液型抗体の誘導を抑制する事を目的に、抗がん剤を封入したPEG修飾リポソーム投与による選択的な抗体分泌抑制法の確立を提案している。
平成26年度では、①ヒトA型赤血球を用いた免疫、②腹腔内細胞によるリポソームの取り込み、について検討した。成人男性より採取した赤血球をマウスの腹腔内に投与して免疫した。免疫後1週間の時点にてマウスより採血を行い、得られた血清中に含まれる抗血液型抗体量をELISAで測定したところ、十分量の抗血液型抗体が誘導されており、実験モデルの確立に成功した。さらに、PEG修飾リポソームが腹腔内のB-1細胞に選択的に取り込まれるか検討を行った。本検討ではPEG修飾リポソーム(PL)だけでなく、血液型抗体を分泌するB-1細胞に対する選択性を高めるために表面を血液型抗原で修飾したBlood group A修飾リポソーム(BGA-ML)も用いた。それぞれのリポソームをマウス腹腔内に投与し、1日後の腹腔内細胞による取り込み量を測定したところ、PL、BGA-MLの順で取り込み量が増大した。PLで取り込み量が少ない原因として、貪食細胞による取り込みがリポソーム表面のPEGによって抑制されたことが考えられた。続いてB細胞を染色し、B細胞集団におけるリポソームの取り込み量を観察したところ、いずれの群でも顕著な差は見られなかった。これらの結果から、PLはB細胞に選択的に結合している可能性が示唆された。以上の結果から、当初の想定どおり、PLは腹腔内B-1細胞に選択的に結合し、内封抗がん剤を送達しうるものと考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

PEG修飾リポソームが腹腔内B-1細胞に選択的に結合することが示唆されており、当初の想定どおり研究が進展しているため。

今後の研究の推進方策

当初の研究計画に沿って、研究を効率的に進める。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] PEG修飾リポソームの投与経路の違いがanti-PEG IgM分泌に及ぼす影響に関する検討(第2報)2014

    • 著者名/発表者名
      阿部遼、清水太郎、石田竜弘、際田弘志
    • 学会等名
      第23回DDSカンファランス
    • 発表場所
      清水テルサ(静岡県、静岡市)
    • 年月日
      2014-09-05 – 2014-09-05
  • [学会発表] Shotgun分析を用いたPEG修飾リポソーム結合タンパク質の網羅的解析2014

    • 著者名/発表者名
      川西宗平、橋本洋佑、清水太郎、際田弘志、石田竜弘
    • 学会等名
      第23回DDSカンファランス
    • 発表場所
      清水テルサ(静岡県、静岡市)
    • 年月日
      2014-09-05 – 2014-09-05

URL: 

公開日: 2016-05-27  

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