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2016 年度 実績報告書

mTOR阻害薬の非侵襲薬効評価系としての尿中LC3定量評価システムの開発

研究課題

研究課題/領域番号 26670081
研究機関九州大学

研究代表者

増田 智先  九州大学, 大学病院, 教授 (90303825)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードバイオマーカー / mTOR阻害薬 / オートファジー / 薬剤性腎障害 / 慢性腎臓病
研究実績の概要

mTOR (mammalian target of rapamycin)は生物界に広く存在し、細胞の増殖活性を促す役割を有し、阻害薬は抗がん薬や免疫抑制薬として注目を浴びている。オートファジーは、不要タンパク質や老化ミトコンドリアの自己消化とアミノ酸の再利用を経て細胞死を免れるシステムであり、飢餓への適応とも考えられる。LC3タンパク質は、細胞内オートファゴソームの裏打ちタンパク質として知られ、オートファジー系における腫瘍タンパク質であることが知られている。mTOR阻害薬は、細胞増殖活性を阻害するとともにオートファジーを活性化し、その指標とされるLC3タンパク質の産生亢進に繋がることが想定されることから、本研究では腎臓におけるmTOR阻害薬の効果指標として尿中のLC3の有用性を明らかにすることを目指して検討を進めた。計画の延長を含めて合計38例の腎移植患者の尿検体を用いて尿中LC3タンパク質の定量数値化を試みた。その結果、患者の尿中にLC3タンパク質は検出されたこと、mTOR阻害薬の使用によって漏出される傾向が満たられたことから、臨床指標として期待された。一方、尿中LC3漏出量とmTOR阻害薬であるエベロリムスの血中濃度、移植腎の機能推移、腎障害の程度との有意な対応は見られなかった。したがって、現状においては尿中のLC3タンパクの漏出の程度をmTOR阻害薬の効果指標として用いることは難しいと考えられるが、今後臨床症例の追加を検討し、患者背景を整えた上で再検討を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2016

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Role of mTOR Inhibitors in Kidney Disease2016

    • 著者名/発表者名
      Kajiwara M, Masuda S
    • 雑誌名

      Int J Mol Sci

      巻: 17 ページ: E975

    • DOI

      10.3390/ijms17060975

    • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
  • [学会発表] 薬毒物による腎障害検出のための尿中バイオマーカーの探索2016

    • 著者名/発表者名
      増田智先
    • 学会等名
      医療薬学フォーラム2016/第24回クリニカルファーマシーシンポジウム
    • 発表場所
      滋賀県立藝術劇場 他
    • 年月日
      2016-06-25 – 2016-06-26
    • 招待講演

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公開日: 2018-01-16  

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