オートファジーはアミノ酸の再利用を経て細胞死を免れる飢餓への適応であり、mTOR(mammalian target of rapamycin)の活性阻害によっても引き起こされ、その指標としてLC3の発現が知られている。本研究では、ヒト尿中のLC3漏出量を数値化できる測定系の構築に成功した。尿中のLC3は腎臓を構成する細胞由来であり、腎臓におけるオートファジーの状態を非侵襲的にモニタリングできる画期的な技術である。虚血再灌流障害を受けている移植腎組織の状態、オートファジーを誘導するmTOR阻害薬を投与した際の人における薬理効果のモタリングシステムとして将来の応用が期待される。
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