平成26年から平成27年にかけて以下の実験条件を検討し、さまざまな条件検討を加えながら、洗練化を行った。 1. 特異的遺伝子のプロモーター配列下流にGFP配列を結合したGFP-reporterプラスミドの作製について検討し、作成した。2. ヒト培養細胞に上記GFP-reporterプラスミドを導入するに際して、細胞株ごとにトランスフェクション時の細胞数やプラスミド量等の各種実験条件を検討した。3. 多くのヒト遺伝子を網羅的に標的としたshRNAレンチウイルス・ライブラリを作成し、各ヒト細胞株などへの感染効率や耐性薬剤量等について条件検討した。4. 細胞1個あたり1種類のshRNAウイルスがゲノム導入されるようなレンチウイルスの感染条件を検討し、ウイルス・タイトレーション等の実験条件を検討した。5. shRNAレンチウイルス感染細胞(RFP(+)を呈する)を1細胞単離装置等を用いながら単離する条件を検討した。6. 1細胞単離装置を使用して、[RFP(+)/GFP(+)]の形質を呈する細胞のみ単離する実験条件について検討した。7. 細胞からのゲノムDNA抽出およびゲノムDNA中のレンチウイルス配列部分のmultiplex-PCR増幅法について検討し、PCR産物の次世代シーケンス解析法についての条件を検討した。 上記のように検討された実験条件のもとで、shRNA感染細胞株(RFP(+))の継続培養下で特異的遺伝子の発現が上昇した分化誘導細胞(GFP(+))のみを単離し、シーケンス解析に供するための実験を試行した。培養条件や分化誘導の検討にエフォートを要したが、培養条件および実験条件のさらなる検討を進め、プロトコールの洗練化を試行錯誤した。研究期間は終了したが、挑戦的萌芽研究の基盤的実験プロトコールが整備されたといえ、今後の研究遂行に繋がる成果と考えられる。
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