新規抗がん剤として開発されたPI3K阻害剤XL147を、前立腺がん培養細胞にかけ青色波長の光を照射するとがん細胞表面にブレッブが形成され著しい細胞傷害がもたらされることがわかった。この細胞傷害効果の程度は、XL147の濃度と青色光の強さに依存する。活性酸素(ROS)蛍光検出薬での観察で、XL147存在下での光照射により細胞内にROSが産生されることが確認され、この細胞傷害はROSによるものと考えられる。青色光の照射量を低減することで、がん細胞にアポトーシス誘導することもできた。これらのことから、XL147はがん治療の光線力学療法の新規光感作剤として有望であると考えられる。
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