ミトコンドリア代謝に関与するミトコンドリアNa+-Ca2+交換輸送体NCLXの抑制は、Bリンパ球細胞走化を抑制しランダムな細胞運動を増加した。この機序として、NCLXが細胞質Ca2+動態を調節することでアクチン重合やRac1局在化を制御し、その結果、細胞走化や細胞運動を制御することが示唆された。この制御はマウス脾臓由来Bリンパ球でも見られたが、Tリンパ球では見られなかった。ミトコンドリア-小胞体間Ca2+動態の違いが、Bリンパ球とTリンパ球の細胞走化におけるNCLXの寄与の違いに関与すると考えられた。また、ミトコンドリアβ酸化が、Bリンパ球細胞走化・遊走に重要な役割を担う可能性が示唆された。
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