電位センサードメインの状態遷移機構を調べる事を目的に、燐光色素の偏光を利用したセグメント回転の時系列観測系を構築した。燐光計測に必要な低酸素下では膜が顕著に脆弱になる事、及び、背景光の寄与を正しく見積る事が困難な事、という二つの主要な課題により、信頼性のある定量計測には至らなかった。今後、全反射照明系を用いて背景光を低減させる、より明るい燐光色素や特異性の高いラベル手法を用いる事で対処できる可能性がある。研究最終年度には、環境応答性の非天然アミノ酸を用いて、電位センサーがグローバルな構造変化を行うことを示した。また、電位センサーの二価カチオン透過性に関する諸性質を明らかにした。
|