報告者は副甲状腺の組織学的検討により、CaRが凝縮されている小胞様構造物を発見し、その主要構成成分であるTspan8に着目し、副甲状腺細胞特異的にノックアウトしたところ、血清Ca濃度が1.5倍以上に上昇することが判明した。このマウスではCaイオンの感受能力が低下したと考えられる。従ってこの結果は、CaRが正確に機能するためには、特殊なTspan小胞が必要であることを示す。今回作成したTsp-KOMは極度の高Ca血症にも関わらず一見健康で、繁殖性が保たれている。この事実は、CaRとTspanの生理的役割が異なることに加え、Caイオン値の異常はただちに健康に悪影響を及ぼさないことも示している。
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