研究課題
うつ病や統合失調症などの精神疾患の発症原因の1つとして過剰免疫反応の関与が示唆されているが、その全容は未だ不明な点が多い。これまでに我々は、インターフェロンの抗ウイルス作用に重要な役割を果たすインターフェロン誘導性膜タンパク質Interferon Induced Transmembrane Protein 3(IFITM3)が周産期の自然免疫応答誘発性の神経発達障害に関与していることを明らかにした。IFITM3が過剰免疫反応による精神疾患発症に関与する可能性は極めて高く、中枢神経系におけるIFITM3の機能を解明することで過剰免疫反応による精神疾患発症のメカニズムの全容が明らかになることが考えられた。一方、IFITM3は直接または間接的にエンドサイトーシスに関与する分子に結合している可能性が高く、エンドサイトーシスは様々な分子が時間空間的に複合体を形成することで達成される。平成26年度は、IFITM3の新規結合タンパク質としてRabGDIを同定した。そこで平成27年度は、エンドサイトーシスにおけるIFITM3とRabGDIの相互作用の役割を解明するための実験を行い、以下の結果を得た。(1) IFITM3とRab5が細胞内で部分的に共局在している。(2) IFITM3を過剰発現させると、GTP結合型Rab5が増加し、IFITM3はRab5の活性を亢進する。(3)IFITM3を過剰発現させると細胞内小胞サイズが大きくなり、IFITM3はRab5を活性化して小胞の融合とMulti-vesicular body (MVB)の形成を促進することが示唆された。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 2件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
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