統合失調症等の精神疾患は病態機序が未解明で、生物学的理解の進展が焦眉の課題である。本研究では、精神疾患においてその重要性が示されているセロトニン神経に高発現することを見出したmiRNAに着目し、その機能についてin vitro、in vivoにおいて検討を行った。その結果、(1)神経系の発達過程において一部のmiRNAが、セロトニン神経の分化に関わる転写因子や、セロトニン神経機能の制御に重要な受容体の発現に影響を与え得ること、(2)成体期のセロトニン神経において一部のmiRNAが、セロトニン神経機能に重要な転写因子の発現を減少させるとともにセロトニンの代謝物量を減少させることを見出した。
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