受容体型チロシンホスファターゼSAP-1は腸上皮細胞の微絨毛に特異的に局在することが知られている。以前に私は、IL10ノックアウトマウスにおいて自然発症する腸炎がSAP-1を欠損させると重篤化することを見出していた。本研究では、SAP-1の脱リン酸化基質であるCEACAMのチロシンリン酸化が、下流分子を活性化することでIL-8のようなケモカインの産生を誘導することを見出した。また、SAP-1とCEACAMは互いの細胞外ドメインを介して相互作用することも見出した。以上のことから、腸上皮細胞のSAP-1はCEACAMのチロシンリン酸化を調節することで腸管免疫を制御している可能性が考えられた。
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