体の組織の伸縮性を担うのは弾性線維という細胞外線維であり、老化に伴う弾性線維の劣化が皮膚のたるみ、肺気腫、動脈中膜の硬化などの直接原因となる。弾性線維のターンオーバーは非常に遅いため、弾性線維の再生はチャレンジングな課題である。これまで申請者は弾性線維の形成に必須の分泌タンパクを同定してきただけでなく、それらのうちで細胞培養に加えると弾性線維形成を強力に誘導するものを見出した。本研究では、細胞外マトリックスの力学的特性を評価する系を確立し、これら弾性線維形成促進因子を組み合わせて、in vitro、in vivoでの弾性線維再生に必要な条件を見出すことを目指した。
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