研究課題
ストレス応答性転写因子Nrf2 は、生体防御の鍵因子である一方、多くのがん細胞で異常に活性化し、その悪性化をもたらしている。がん細胞でNrf2 機能を阻害することは、その増殖を抑制し、化学療法や放射線療法の効果を高めると予想され、抗がん治療としての有効性が期待される。しかし、正常細胞でNrf2 機能を阻害すると、抗がん剤の副作用の増悪や、がん免疫の抑制による転移の促進などをもたらすことが予想される。したがって、がん治療のためには、がん細胞特異的にNrf2 経路を抑制することが重要である。そこで、本研究では、正常細胞におけるNrf2機能には影響せず、がん細胞で異常に活性化しているNrf2 と合成致死性を示す因子の探索を目的とした。当初は、マウス個体に対してレンチウイルスによるshRNAライブラリー、CRISPR-CAS9ライブラリーを導入して、NRF2と合成致死性をしめす因子を同定することを目指したが、あいにく、マウス個体におけるウイルス感染効率が十分に高くならないことが判明した。そこで、異なるアプローチを取ることとし、マウスから樹立したNRF2依存性がん細胞をマウス皮下に移植した状態でスクリーニングを実施することとした。すなわち、マウス由来のNRF2依存性がん細胞に、レンチウイルスによるCRISPR-CAS9ライブラリーを導入して、マウス皮下に移植、腫瘍を形成させる。得られた腫瘍からDNAを回収し、CRISPR-CAS9ライブラリーのプロファイルの変化を次世代シーケンサーを用いて調べるという戦略である。本年度末までに、マウス由来のNRF2依存性がん細胞の樹立を完了させられた。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 6件、 招待講演 10件) 備考 (2件)
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