研究課題
レチノイン酸を内包したラクトソームと、TGF-beta1を架橋したラクトソームを別々に作成し、それぞれの活性をin vitroでのクラススイッチ誘導系にて評価した。それぞれある程度の生理活性を確認できたが、その活性は期待していた値よりもかなり低かった。まずこれらの試薬を、マウスアレルギー性鼻炎を誘導する時期に同時に投与することによって、アレルギー性鼻炎発症の抑制効果を調べた。この段階での投与によって、アレルギー性鼻炎の発症に対するある程度の抑制効果が観察されたが、その効果は限定的であった。この解析から、IgAへのクラススイッチを促進する因子を、ラクトソームによって提供するDDSは、アレルギー性鼻炎を抑制する上で有効である可能性が示唆された。しかし効果はまだまだ不十分であることから、今後はラクトソームへのレチノイン酸の内包と、TGF-b1のラクトソームへの架橋の仕方を工夫することによって、より高い活性を持つ試薬を作成することが必要となる。
すべて 2016
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