研究課題
近年,蛋白質をコードしないnon-coding RNAが,蛋白質の翻訳抑制に働いていることが明らかとなり,post-transcriptionalな発現制御きこうとして注目を浴びている.本研究では,高肺転移骨肉腫(LMOSi3)および軟骨肉腫(LMCSi4)細胞株で過剰発現するlincRNAに注目し、骨・軟骨悪性腫瘍の肺転移に係るlincRNA (lincRNA-ARF6)の生物学的役割を明らかにする。研究期間内に以下の解析を行う.1.lincRNA-ARF6の発現抑制による、ARF6の発現変動の検証,2.lincRNA-ARF6とcomplexを作る抑制蛋白群の同定,3.細胞運動能、浸潤転移能に係る分子機構の解析,4.SCIDマウスxenograftでのlincRNA-ARF6発現制御系による転移抑制実験.平成26/27年度には, lincRNA-ARF6がARF6の発現変動に関与している事,PC-2蛋白質とcomplexを形成しクロマチン修飾に関与している事を明らかにし,現在論文を投稿中である.また,このcomplexが作用する遺伝子領域をChIP-sequenceにより網羅的に解析し,高密度に濃縮される領域にヒアルアドヘリンのfamily遺伝子群がある事を明らかにした.本研究成果については,査読者からノックアウトマウス等の動物モデルを使用した系での検証が要求されており,ジャーナル変更を考えている.
2: おおむね順調に進展している
概ね実験は終了し,レフリーからの追加実験への対応を行っている.
追加実験を行い,論文のアクセプトを目指す.
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Intern Med.
巻: 54 ページ: 3165-3169
10.2169/internalmedicine.54.4945.