研究課題
申請者らはFDC単離法を確立し、従来不可能であった細胞単位での解析の中からFDCがアポトーシス細胞を貪食することを見いだした。アポトーシス細胞の貪食に伴って貪食細胞の活性化は制御されるが、申請者は胚中心においてFDCの活性化がアポトーシスB細胞の貪食を介して制御されるという仮説を立て、これを検証することを目的とした。単離FDCがMFG-E8/αvインテグリン経路を介してアポトーシス細胞を貪食するをことをin vitroの共培養の系で確認した。さらに、抗原免疫後のマウス脾臓から経時的にFDCを単離してスライドガラス上に固定化した後、DNAの断片化を検出するTUNEL染色を行ったところ、免疫後の脾臓FDCの細胞質内にはナイーブマウスの脾臓FDCに比較してTUNELのシグナルが著しく増強することを見いだした。また、単離FDCをアポトーシス細胞と共培養した後のサイトカイン、ケモカインの産生について検討したところ、一部のサイトカイン、ケモカインは共培養に伴ってその産生が変化することを見いだした。
2: おおむね順調に進展している
胚中心形成に伴ってFDCがアポトーシス細胞を貪食していること、その結果、FDCからのサイトカイン、ケモカインが制御されていることを示すデータが得られた。
FDCによるMFG-E8/αvインテグリン経路を介したアポトーシス細胞の生理的意義を明らかにする目的でCre-loxpシステムを用いたconditional gene targeting法、および骨髄移植法を駆使して、FDC特異的αvインテグリン欠損マウスを作製する。このマウスをNPハプテン付加抗原で免疫後、胚中心の形成やNP特異的抗体の産生量、および抗体の抗原親和性成熟について検討を行い、FDCによるアポトーシス細胞の貪食、排除の消失が胚中心形成、抗体産生、抗原親和性成熟に及ぼす影響を検討する。
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