造血幹細胞由来の腫瘍であるMDSにおいて、骨髄ニッチ細胞とされるCXCL12陽性細胞と腫瘍の相互作用、病態との関連性を検討した。結果、MDS骨髄ではCXCL12陽性細胞は有意に増加し、これと近接したCD34陽性の腫瘍細胞はアポトーシス耐性を有していた。またCXCL12陽性細胞の多いMDS症例で病期進行が早い傾向が認められた。細胞実験においてもCXCL12産生性間質細胞とMDS由来血球細胞の共培養にて血球細胞のアポトーシス耐性と薬剤耐性の獲得が示され、この相互作用にCXCL12-CXCR4シグナルの存在が示された。これらの結果から、CXCL12を標的としたMDS新規治療戦略の有用性が示唆された。
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