研究課題
超高齢化社会を迎えた日本では、いかに高齢者が免疫の健康な状態を保ち、長い間健康でいられるか、つまり、どのようにして健康寿命の維持ができるか、がポイントとなる。そのためには加齢に伴う免疫低下の発症メカニズムの解析が重要と考え、制御性T細胞をターゲットとして本研究を行った。制御性T細胞は加齢によっても増加する事が知られている。加齢で増加する制御性T細胞は、末梢で誘導される制御性T細胞である事が報告されている。今回、リンパ組織においてどのようなメカニズムで加齢によって制御性T細胞が増加しているのか、どのようなサブセットの制御性T細胞が増加しているのかを、1年6ヶ月以上の年齢の老化マウスと2-3ヶ月令の若いマウスを比較する事で解析した。以前の報告のように、若いマウスと比較すると老化マウスのリンパ系組織ではFoxp3+CD4+制御性T細胞が増加している事を確認した。加齢マウスで特有に増えている制御性T細胞のサブセットを見出す事ができ、その機能を中心に解析した。興味深いことに、老化マウスの皮膚においてはFoxp3+CD4+制御性T細胞の増加に有意差は認められなかった。老化マウスのリンパ系組織で増加している Foxp3+CD4+制御性T細胞に特異的に高く発現するケモカインレセプターを同定する事ができた。ケモカインレセプターとリガンドの発現の差が、老化マウスにおけるFoxp3+CD4+制御性T細胞の集積に関与していると示唆され、リガンドの発現について現在解析中である(Yamazaki et al, manuscript in preparation.)。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件) 学会発表 (12件) (うち国際学会 3件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
臨床皮膚科
巻: 5 ページ: in press
加齢皮膚医学セミナー
巻: 11 ページ: in press
Nat Immunol.
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10.1038/ni.3125.
http://www.med.nagoya-cu.ac.jp/immunol.dir/index.html