本研究課題の研究成果として我々はMinマウス大腸がんモデルを用い、がん部及び非がん部を構成する上皮細胞群をそれぞれの遺伝子発現プロファイルに基づき機能的に異なる7種の細胞群に分類する事に成功した。ここで見いだされた細胞多様性の大腸発がんに伴う変化を解析し、吸収系及び分泌系細胞群それぞれの様々な分化段階に於ける細胞分布どのように変化するのか、正常幹細胞はどのようにがん幹細胞へと変わってゆくのかを遺伝子発現レベルで明らかにした。さらに正常及びがん幹細胞に於けるWntターゲット遺伝子の発現を調べ、腸管上皮幹細胞のヘテロジェナイティー、がん発生に伴う細胞集団の質的変化を明らかにすることに成功した。
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