転写因子発現コンストラクトを野生型原虫に導入し遺伝子組み換え原虫を作製した。つぎに本原虫を用いオオシストの培養を実施し、オオシスト形成に及ぼす転写因子誘導の効果を評価した。組み換え原虫オオシストの直径は野生型より増大したが核の分裂の進行は、野生型同様不十分なままであった。そこで実際この転写因子がオオシスト期にどのような遺伝子群を活性化しているかをChIP-seq法で解析した。その結果、標的遺伝子は数百個同定されたがゲノムDNAの複製やmitosisに関与する遺伝子を誘導している証拠は得られなかった。このことからスポロゾイトの形成には本転写因子に加え他の転写因子が必要である可能性が示唆された。
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