本研究は、真菌感染に応答した宿主免疫応答を明らかにするため、真菌の細胞壁の糖鎖構造のひとつであるchitin(キチン)を検知する受容体分子を同定することを目的とした。マウスの骨髄細胞から調整した初代培養細胞を用いたDNAマイクロアレイ解析により、chitin刺激によって発現誘導される複数の遺伝子を同定し、それらの誘導が既知のシグナル経路を介しているのかについて遺伝子改変マウス由来の細胞を用いて検討した。その結果、未知のシグナル経路が存在する可能性と、複数のシグナルが複合して関与している可能性の両者が示唆され、今後の解析の端緒となる知見が得られた。
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