インフルエンザは、毎年季節性に流行するウイルス感染症であるが、ときに世界的流行な状態に陥り、大量の罹患者及び死者がでるリスクが常にある。問題は、変異などにより生まれた新型ウイルスの急速な流行のリスクを、季節性ワクチンが必ずしも下げるわけではないところにある。本研究では、従来の不活化ワクチンを用いるのではなく、日本で初めて樹立された「万能抗体」を鋳型に、人工的にこの抗体に結合するペプチドを高速計算機によりデザインし、合成し、ワクチン抗原として用いることで「万能抗体」と類似する機能をもつ抗体を誘導するワクチン開発を目指した。本研究にて、異なるウイルス種に対して中和活性を示すペプチドを同定した。
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