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2015 年度 実施状況報告書

プリオン病治療法開発のための新規結合蛋白質の機能解析

研究課題

研究課題/領域番号 26670229
研究機関国立感染症研究所

研究代表者

山越 智  国立感染症研究所, その他部局等, 研究員 (00212283)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワードプリオン病 / 新規結合蛋白質
研究実績の概要

正常プリオンタンパク質に結合する新規蛋白質Xは、分泌タンパク質であり体液中に存在する。そこでプリオン病発症に何らかの影響を与える可能性があると考え、Xタンパク質の遺伝子改変マウスを使い、プリオン病発症について解析した。今年度は、昨年度から継続していた病原体プリオンタンパク質の腹腔接種による発症モデルでの結果を得た。このモデルは抹消組織から中枢神経系に病原体が侵入して発症するモデルである。マウス馴化BSEプリオンを接種後、野生型マウスでは300日から死亡し始め、400日頃までにはすべて死亡し、中央値は325日であった。X遺伝子欠損マウスでは、同様に300日頃から死亡し始め370日頃にはすべて死亡し、中央値は308日であった。X遺伝子導入マウスは、同様に300日頃から死亡し始め420日頃にはすべて死亡し、中央値は343日であった。X遺伝子の発現に応じて50%生存率の違いが観察された。ウエスタンブロット法による病原体プリオンタンパク質の脳内での蓄積を調べたところ、生存率を裏付ける結果を得た。以上の結果はXタンパク質がプリオン病発症を抑えることを示唆し、Xタンパク質のプリオンタンパク質への結合がその原因である可能性が考えられた。前年度、病原体プリオンの脳への直接接種の場合、各マウス株間で差がなかったことから、腹腔から中枢神経系へ病原体が侵入する段階で抑制作用が起きていることが考えられたため、現在、腹腔接種経路での感染初期50日から130日での脾臓での病原体プリオンタンパク質の蓄積について、ウエスタンブロットと病理組織的解析を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

プリオン病発症マウスモデルは、年単位の実験になるため、昨年度開始した実験の結果を今年度得ることができた。その結果、感染初期の病態を調べる必要が生じ、その実験を新たに計画し実行している。

今後の研究の推進方策

感染初期の病態について、ウエスタンブロットと病理組織的解析を行い結果を得る。さらにin vitroでの異常プリオン産生系での解析を行う。

次年度使用額が生じた理由

年度末納品等にかかる支払いが平成28年4月1日以降となったため、当該支出分については次年度の実支出額に計上予定。平成27年度分についてはほぼ使用済みである。

次年度使用額の使用計画

上記のとおり。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 備考 (1件)

  • [備考] LECT2に関する研究

    • URL

      http://www.geocities.jp/lect2_yamagoe/

URL: 

公開日: 2017-01-06  

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