研究課題
Toll-like receptor 7 (TLR7)、TLR8は1本鎖RNAに対するセンサーである。しかしながら、低分子リガンドにも応答する。TLR8の構造解析によって、TLR8はUridineに結合する事、ssRNAはUridineとは異なる部位に結合し、Uridine(U)とTLR8との結合を強くすることが明らかになった。本研究では、TLR7の、UなどのNucleosideに対する応答性を調べ、TLR7,TLR8の認識機構の解明を目指す。以下の点についての検討を進めた。1.TLR7とnucleosideとの応答性の検討TLR8がUと一本鎖RNAに応答するとすると、TLR7も類似した応答性を示す可能性が考えられる。この点を検討するために、HEK293細胞にTLR7とNF-kB luciferaseを発現させ、UをはじめとするNucleosideと一本鎖RNAの教師劇に対する応答性を検討した。その結果、TLR7はUではなく、Guanosine(G)に応答することが明らかとなった。2. 修飾されたNucleosideに対する応答性の検討TLR7,TLR8は病原体に特異的に応答するために、病原体と宿主の核酸の違いを認識する事が報告されている。例えば、宿主はメチル化など、核酸を修飾することが多いが、最近などの病原体ではまれである。興味深いことに、TLR7,TLR8は修飾されたRNAに対する応答性が低い。TLR7,TLR8は、RNAだけでなく、Nucleosideにも応答する事が明らかとなった。そこで、修飾されたUやGに対する応答性を調べたところ、問題なく応答する事が明らかとなった。TLR7,TLR8は自己免疫疾患に関わっている事が報告されている。UやGは代謝産物であり、宿主の体内にも存在していることから、自己免疫疾患に関与する可能性がある。
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