今後の研究の推進方策 |
メトホルミンによるCD8T細胞の活性化の分子メカニズム解明のためには、AMPK活性化、IRF4発現、解糖系と酸化的リン酸化、オートファジー機能に焦点を当てて進める事も必要であると考える。IRF4が記憶T細胞への分化に必須であること(Nature Immunology 14:1155-1165. 2013)、AMPKの活性化がオートファジーを誘導すること(Nature Cell Biology 13:132-141. 2011)、AMPK活性化とIRF4発現レベルが相関する可能性(Diabetes, Obesity and Metabolism 13:1097-1104, 2011)などが、本研究の方向性をサポートする。また、養子移入実験は極めて有用な手段であり、compound Cと同様に様々な阻害剤を用いた実験に応用可能である。従って、メトホルミンと各種阻害剤で処理したCD8T細胞を養子移入し、浸潤後のTEM分化を解析する。阻害剤としては、mTORC阻害剤(ラパマイシン、mTOR経路はAMPK活性化で抑制される)、HIF1阻害剤(解糖系阻害)、酸化的リン酸化阻害剤、オートファジー阻害剤(3MA)などを使用することが考えられる。さらに、移入後経時的にAMPKリン酸化、IRF4発現レベル、グルコース取り込み活性、オートファジー活性をTCM,TEM,TEffに分けてフローサイトメトリー解析することも必要である。
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