単球・マクロファージや樹状細胞は生体防御や組織恒常性維持に重要な単核貪食細胞(Mph)である。本研究で我々は、Mph除去剤クロドロネートリポソーム(CLL)をマウスに投与すると単球に加えてMph前駆細胞も消失することを発見した。これら前駆細胞は蛍光標識リポソームを取り込まなかったことから、間接的な作用の存在が考えられた。解析を進めると、CLL投与によってMphの分化増殖に関わるサイトカイン産生が増加しており、前駆細胞はこれに反応・分化した結果枯渇しているらしいことがわかった。以上の結果から、Mph前駆細胞はサイトカインを介して末梢の細胞数を感知・反応し、Mph系を保っていることが示唆された。
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