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2015 年度 実績報告書

B細胞後期分化に伴う体細胞突然変異誘導能の獲得機構

研究課題

研究課題/領域番号 26670239
研究機関東京理科大学

研究代表者

北村 大介  東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (70204914)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2016-03-31
キーワード免疫学 / 体細胞突然変異 / 胚中心 / B細胞
研究実績の概要

免疫応答の過程で胚中心B細胞に免疫グロブリン(Ig)遺伝子のV領域に体細胞突然変異(SHM)が蓄積され、その結果、抗原受容体と抗体の抗原親和性が多様化する。SHMとクラススイッチ組換え(CSR)の誘導にはシチジン脱アミノ化酵素AIDが必須であるが、in vitroで活性化されたB細胞にもAIDが発現しCSRは起こるがSHMは起こらないので、胚中心B細胞には特有のSHM誘導能が存在すると考えられた。私たちが確立したiGB細胞培養系では、B細胞が著しく増殖して胚中心B細胞様のiGB細胞となり、CSRを起こすがSHMはほとんど起こらない。iGB細胞にBcl-6を強制発現させてフィーダー細胞とIL-21存在下で長期に培養を続けても同様であった。一方、iGB細胞をマウスに移入すると、記憶B細胞様のiMB細胞に分化し、二次リンパ組織に維持される。このiMB細胞をiGB細胞と同様にBcl-6導入により長期培養した細胞(これをiMGB細胞と呼ぶ)では高率にSHMが生じることが分かった。よって、iGB細胞はin vivoにおいてSHM誘導能を獲得したと考えられた。このSHM誘導能の実態を明らかにすることが本研究の目的である。本年度の研究から以下のことが明らかになった。
1.iMB細胞をソーティングする前、あるいは、培養中に抗原受容体を刺激した場合にのみ、作成したiMGB細胞で高率にSHMが生じることが分かった。
2.形質細胞分化のマスター制御因子であるBlimp1の欠損マウスのB細胞から作成したiMGB細胞は野生型マウスに比べて、2倍以上の変異頻度を示した。
3.iMGB細胞におけるSHM頻度の増加は長期培養中に頭打ちとなった。その原因は、変異を起こさないクローンの増加にあった。変異を蓄積したクローンとそうでないクローンを比較すると、前者では核内のAIDタンパク量が多かった。よって、AIDの核内保持を制御する機構がSHM効率に大きな影響を与えていると思われる。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2016 2015

すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Complex Antigens Drive Permissive Clonal Selection in Germinal Centers.2016

    • 著者名/発表者名
      Kuraoka, M., Schmidt, A.G., Nojima, T., Feng, F., Watanabe, A., Kitamura, D., Harrison, S.C., Kepler, T.B. and Kelsoe, G.
    • 雑誌名

      Immunity

      巻: 44 ページ: 542-552

    • DOI

      10.1016/j.immuni.2016.02.010.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] GIMAP1 Is Essential for the Survival of Naive and Activated B Cells In Vivo.2016

    • 著者名/発表者名
      Webb, L.M., Datta, P., Bell, S.E., Kitamura, D., Turner, M. and Butcher, G.W.
    • 雑誌名

      The Journal of Immunology

      巻: 196 ページ: 207-216

    • DOI

      10.4049/jimmunol.1501582.

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] 膜型IgEの自発的シグナル伝達によるB細胞記憶形成の制御2016

    • 著者名/発表者名
      羽生田圭、深尾紗央里、北村大介
    • 雑誌名

      臨床免疫・アレルギー科

      巻: 65 ページ: 329-333

  • [雑誌論文] Ex vivo engineered immune organoids for controlled germinal center reactions.2015

    • 著者名/発表者名
      Purwada, A., Jaiswal, M.K., Ahn, H., Nojima, T., Kitamura, D., Gaharwar, A.K., Cerchietti, L. and Singh, A.
    • 雑誌名

      Biomaterials

      巻: 63 ページ: 24-34

    • DOI

      10.1016/j.biomaterials.2015.06.002.

    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] Autonomous signaling from IgE B cell receptor suppresses B cell memory formation.2015

    • 著者名/発表者名
      Kei Haniuda, Saori Fukao, Tadahiro Kodama, Hitoshi Hasegawa, Daisuke Kitamura
    • 学会等名
      The 3rd Symposium of International Immunological Memory and Vaccine Forum
    • 発表場所
      Berlin
    • 年月日
      2015-10-30 – 2015-10-31
    • 国際学会
  • [学会発表] BLNK-knockout mice as a model of allergic diseases.2015

    • 著者名/発表者名
      Daisuke Kitamura
    • 学会等名
      International Symposium of the Center for Animal Disease Models 2015
    • 発表場所
      Tokyo
    • 年月日
      2015-07-21
    • 国際学会 / 招待講演

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公開日: 2017-01-06  

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