鳥取県江府町(人口3900人、高齢化率40%)を対象に生活習慣病の背景を生態学的に検討した。方法としては、関与する環境因子を収集し各システム階層におけるネットワークを分析した。①自然環境:積雪のある中山間地②社会環境:高齢化が進行し、多くは小規模農業従事③集落ごとの社会資源(Social Capital):農業を基盤にした強いコミュニテイ④行政:買い物・交通支援、ケーブルTVなど情報支援あり。ウエルビクス運動介入に成功し、観察期間に非致死性心血管イベントが11件発生したのみだった。中山間地の高齢者の健康増進にはコミュニテイ特性と行政基盤のネットワークを配慮した生態学的アプローチが有効であった。
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