研究課題/領域番号 |
26670251
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
橋本 明 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (40208442)
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研究分担者 |
中村 治 大阪府立大学, 人間社会学部, 教授 (10189029)
新宮 一成 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 教授 (20144404)
板原 和子 大阪体育大学, 健康福祉学部, 教授 (50390175)
宇都宮 みのり 愛知県立大学, 教育福祉学部, 教授 (80367573)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 精神医療史 / 精神医学史 / 医学史 / 医史学 / 精神保健福祉 / ミュージアム / 展示 / 私宅監置 |
研究実績の概要 |
平成27年度におもに取り組んだことは、「精神医療ミュージアム 移動展示プロジェクト」である。移動展示のテーマは、昨年度にソウルで行った第1回の展示会を引き継いで「私宅監置と日本の精神医療史」であった。当該年度最初の、通算では第2回となる展示会は、2015年6月16日~20日に東京都新宿区のワセダギャラリー(早稲田大学)で行った。新たに展示用の14枚のポスターと32枚の写真パネル、および日本語・英語併記の28ページからなる配布用の内容説明パンフレットを作成した。また、この回よりギャラリートークを会期中に数回設定し、来訪者への展示の説明と来訪者からの質疑応答をプログラムに組み入れた。次いで第3回は、同年9月18日~20日に大阪市中央区の船場ビルディング内のギャラリー等を借り、東京と同じ方式で展示会を開催した。同様に、2016年1月23日~2月14日の期間、岡山市北区のカイロス(精神障害者施設)内の「精神資料室」で第4回目を行った。 上記以外に、国外の精神医療に関わるミュージアムなどを訪れて、展示方法や展示コンセプトの情報収集を行った。具体的には、ウィーンで開催された「精神保健と法に関する国際会議」で研究発表を行う日程に合わせて2015年7月15~20日に同地を訪れ、近郊にあるシュロス・ハルトハイム(Schloss Hartheim)のナチス時代の精神障害者虐殺施設跡を見学した。また、2016年1月28日~2月7日にニューヨークを訪問し、コロンビア大学図書館で資料収集を行うとともに、州立クリードムア精神医学センター(Creedmoor Psychiatric Center)構内にあるアウトサイダーアートの美術館(兼制作現場)であるリビング・ミュージアム(The Living Museum)を見学し、担当者にインタビューを実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成27年度の研究実施計画では、プレゼンテーション・ツールの作成および教育・保健・医療・福祉機関でのプレゼンテーションなどを核にしており、今年度に3回開催した「私宅監置と日本の精神医療史」展の準備から実施までのプロセスは、まさに当初計画の内容に沿ったものであったと評価している。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度には、すでに第5回の「私宅監置と日本の精神医療史」展を豊橋市内の精神科病院で5月に開催することが決まっている。また、年度内に東京都立松沢病院で同展示会を計画している。なお、研究の最終年度にあたり、(実施計画まで含めると)通算6回の「私宅監置と日本の精神医療史」展を中心にして、精神医療史とミュージアムに関わる研究報告書をまとめる予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
残額は生じたが相対的に小額であり、研究代表者・分担者が年度内に使いきらずに、次年度に繰り越すことを選択した結果と考えられる。
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次年度使用額の使用計画 |
残額は、平成28年度に2回開催を予定している「私宅監置と日本の精神医療史」展に関わる諸経費に使用する予定である。
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