研究課題/領域番号 |
26670266
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
高橋 有己 京都大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00547870)
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研究分担者 |
高倉 喜信 京都大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (30171432)
西川 元也 京都大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (40273437)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | エキソソーム / ラジオアイソトープ / DDS / SELEX法 |
研究実績の概要 |
エキソソームは、超遠心を利用した方法をはじめとして様々な方法で回収される。エキソソームの粒子状態や分散性などの特性はエキソソームの回収方法に依存することから、エキソソームを利用する上で回収方法の選択は重要である。そこで、製剤としての利用を念頭に抗体の混入やエキソソームの希釈等が起こらない方法として、超遠心を用いた3つの方法(pelleting法,cushion法,gradient法)と、市販のエキソソーム回収用試薬ExoQuickを用いた方法を選択し、比較検討した。Pelleting法ではエキソソームを超遠心により沈殿させることで回収し、cushion法では密度勾配用媒体OptiPrepに培養上清を重層して超遠心を行い、界面を回収した後超遠心により沈殿させ回収した。Gradient法ではOptiPrepによる密度勾配を作成し,その上に培養上清を重層して18時間の超遠心の後にエキソソームを回収した。ExoQuickの場合には、培養上清を試薬と混合してインキュベート後、低速遠心により沈殿したエキソソームを回収した。透過型電子顕微鏡で観察した結果、いずれの場合も100nm前後の小胞が観察されたものの、ExoQuickの場合には非常に大きな凝集体が多数観察されたため、以降の検討からは除外した。また、超遠心法で回収したサンプルにも小規模の凝集体が認められたが、その数はgradient法で回収したサンプルで最も少なかった。製剤応用を念頭に0.2μmのフィルターを用いたろ過滅菌後の回収率を評価したところ、gradient法で回収したエキソソームの回収率は約80%と、50%以下だった他の2つと比較して有意に高かった。凝集体の数が少ないgradient法で回収したエキソソームはフィルターに詰まりにくかったために回収率が高くなったものと推察した。
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