悪心は「上腹部に感じる不快感」と定義されるため、人間が「気持ち悪い」「しんどい」と感じた場合に自身のレベルを記入する方法で判定する。しかし、この方法では個人の主観が入るため客観評価が難しい。また、言葉を発しない動物では判定が不可能である。しかし、ラットの顔をモニターしていると抗悪性腫瘍剤投与によりラットは活動期にもかかわらず閉眼するようになり、悪心・嘔吐の治療薬をあらかじめ投与しておくと、この閉眼状態が抑制された。これらの結果はラットの「顔表情」を画像情報としてモニターし、特徴的な条件(今回の場合は閉眼状態)を抽出することで実験動物の悪心客観評価法を開発するための端緒を開く結果となった。
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