本研究では、約4000化合物の探索をハイスループットスクリーニング法で実施し、小胞体ストレス応答の一つであるPEKR経路を活性化できる化合物を同定した。同定した化合物は、細胞レベルでATF4誘導効果などを確認できたが、in vivoでの効果では細胞で認めたような効果は認められなかった。原因として、同定した化合物の溶解度が極めて低いために、個体レベルでのドラッグデリバリーに問題があることが考えられる。今後は同定した化合物の分子構造修飾による溶解度による吸収改善が必要であるが、同定した化合物は既知のPERK経路の制御剤とは異なる母核を持つことから、今後の開発に向けて特許申請を準備している。
|