研究課題/領域番号 |
26670299
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
菅 幹生 千葉大学, フロンティア医工学センター, 准教授 (00294281)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | 生体工学 / 生体物性計測 / 粘弾性 / 定量評価 / ファントム / エラストグラフィ / MRI / 超音波診断装置 |
研究実績の概要 |
MRエラストグラフィで画像化可能で,生体組織と同等の粘性と弾性を併せ持つ高分子ゲルファントムを開発するとともに,少なくとも1年は経時変化がないことを確認した.昨年度,アクリルアミドを主成分とする高分子ゲル選定し,粘性率向上のために溶媒にグリセリンを70%含ませることで生体組織に近い粘性率が達成できることを確認した.一方,溶媒に多くのグリセリンを用いることで,薬品の撹拌が困難となったことで,大容量のファントムを安定して均一に作成することが困難であることがわかった.そこで,H27年度は薬剤の配合量や作製プロトコルを改良することでグリセリン濃度を下げても生体組織と同程度の粘弾性率を達成可能とした.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおり,生体軟組織を模擬した粘弾性を持つゲルを開発するとともに,3Dプリンターを用いて鋳型を作製し,作製したファントムを対象としたMRE測定を実施した.これにより,ヒトを対象とした撮像における撮像パラメータを検証することができた.
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今後の研究の推進方策 |
MREで利用する外部加振による運動エネルギー,超音波エラストグラフィで与える集束超音波などにより,撮像対象の表面や内部ではエネルギー伝の案による温度上昇が生じている.安全性の評価のために,撮像対象領域での温度変化を測定する.
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次年度使用額が生じた理由 |
本課題で開発したファントムを他施設で評価するにあたり,外部業者へ発注する必要がある.昨年度までに開発したファントムの作製プロトコルによる再現性評価実験を十分に検討してから発注することが望ましいと考え,次年度に予算を残すことにしたため.
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次年度使用額の使用計画 |
昨年度までに開発したファントムの作製プロトコルによる再現性評価実験を十分に検討できしだい外部業者へ発注する.
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