研究課題
非侵襲的に生体組織の粘弾性を評価可能なエラストグラフィは,肝線維症のステージ判定などに利用されている.エラストグラフィには磁気共鳴画像装置(MRI)と超音波診断装置を用いる2種類の手法がある.現時点で両装置を対象とした経時的安定性を有するゲルファントムがないため,装置の定量性と再現性を評価することができない.そこでアクリルアミドを主成分とする高分子ゲルを用いることで,エラストグラフィで画像化可能で,生体組織と同等の粘性と弾性を併せ持つ高分子ゲルファントムを開発した.昨年度までに開発したゲルでは,生体と同程度の粘性を達成するために溶媒に粘性の高いグリセリンを70%含ませる必要があるため,薬品の撹拌が困難となり,大容量のファントムを安定して均一に作成することが困難である問題が生じた.これを解決するために,薬剤の配合量や作製プロトコルを改良することでグリセリン濃度を下げても生体組織と同程度の粘弾性率を達成可能とした.光ファイバ温度計を利用することで,作成時の温度とゲルの粘弾性との関係性を明らかにした.新しい配合量のファントムでも1年は経時変化をしないことを確認した.また,このゲルに散乱体を加えることで,MRI装置だけでなく超音波診断装置でも測定可能なファントムの作成に成功した.開発したファントムを利用することで,複数のMRエラストグラフィシステムの定量性と再現性を確認することができた.
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 6件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)
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