臨床において非侵襲的に生体組織の粘弾性を評価するために,エラストグラフィが利用されている.エラストグラフィの定量性や再現性を評価したり,異なるシステム間で粘弾性パラメータを比較したりするためには,粘弾性が既知なファントムが必要である.これまでのファントムには生体と比較して粘性が低い問題がある.本研究では,生体組織を模擬した経時的安定性を有するファントムを開発することを目的とした.高粘性を達成するために溶媒にグリセリンを付加するなどの薬品配合量や作成法の最適化を行った,本研究では,生体組織を模擬したファントムの作成に成功すると共に,経時的安定性を有することを確認できた.
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