本研究では、飽和溶解量以上に気体を溶解させた水(高圧過飽和溶液)に超音波を付与することで微細な気泡を生成できる現象に着目し、過飽和溶存水を併用した超音波薬物導入方法の検討を行った。超純水を0.5MPaに加圧して過飽和溶存水を作成した。白血病リンパ球HL60細胞混濁液を過飽和溶存水に混合し超音波を照射した。照射後、Propidium Iodide(PI)及びトリパンブルー色素により染色を行い、細胞内への薬物導入能及び、細胞生存率の評価を行った。超音波と過飽和溶存水との併用によりPIで染色された生細胞数の増加が見られ、高圧過飽和溶液は細胞に影響を与えた。また、超音波診断装置で造影効果も認められた。
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