陽電子放射断層撮影(PET)において、トレーサーとなる陽電子放出核種の分布のみではなく、陽電子の寿命も測定可能な装置を開発した。この装置は、消滅ガンマ線対の同時計測によるPETイメージングに加えて、追加検出器により脱励起ガンマ線を計測し、消滅ガンマ線と脱励起ガンマ線の時間差を計測することにより陽電子寿命を計測可能である。陽電子の寿命は、生体内の酸素濃度、分子構造、温度、電子密度等の物理的条件により変化する。したがって、PETによる、生体内のトレーサーの非侵襲的可視化に加えて、各臓器、組織における陽電子寿命を導出することにより、生体の様々な情報を得られると考えられる。
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