研究課題
凍結治療に伴う抗腫瘍効果を検討するためにマウスxenograftモデルを作成した。凍結治療に伴う腫瘍免疫の賦活に起因する抗腫瘍効果を観察するために、膵癌を自然発症するPdx1-Cre;LSL-KrasG12D;p53lox/+より樹立した初代膵癌細胞を同系マウスへ皮下移植する系を用いた。はじめにxenograft生着後にマウスを2群に分け、実験群には液体窒素による凍結処理を施した初代細胞を別の部位に移植し(Cryotherapy=Vaccunation)、xenograftの縮小効果が得られるかを検証した。Cryotherapyにより、移植腫瘍の縮小を認めた。次に、凍結治療に伴う転移巣縮小が起こるかを観察するために、マウス左側側背部に癌細胞を移植し、腫瘍生着(仮想原発巣)の後に、右側側背部に新たなxenograftを作成し、これを仮想転移巣とした。Cryotherapyにより、原発巣の腫瘍縮小効果と転移腫瘍の腫瘍縮小および腫瘍拒絶効果を認めた。このことから、Cryotherapyによって全身性免疫が誘導されることが示唆され、原発巣に対するCryotherapyによって転移性腫瘍に対する抗腫瘍効果が観察されるという臨床データの裏付けが得られた。研究計画時には、医療用焼灼器汎用冷凍手術ユニットCryo-Hitによるがん凍結治療の前後において、患者血液検体を用いた腫瘍免疫の挙動について検証を行う予定であったが、研究期間中に対象患者の登録が得られず、ヒトでのPoCを得ることはできなかった。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 6件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (8件)
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