本研究において20 代の女性を対象にした自己採取HPV 検査の有効性 に関するエビデンスを確立し、低迷する子宮頸がん検診受診率を向上 させる有効な手段として自己採取HPV検査を提案する。ひいては若年層女性のための新たな子宮頸がん検診システムを構築して子宮頸がん撲滅への道筋を明確にすることを目的とする。 平成27年度のFeasibility studyでは、Evalynブラシは痛みや恥ずかしさもなく、サイズも長さも適切であることを明らかにした。一方で、本研究の対象である20代の女性たちからは「いかにも医療器具っぽい「注射器みたい」「台所用品」といった感想が寄せられた。その結果から、より小さい器具であるHerswabブラシが適切であると考えられた。 この結果を受けて平成28年度には、Herswabブラシを利用した、自己採取HPV 検査を計画した。この中で自己採取検体がHPV陽性の場合は医師が採取する細胞診を勧奨し、その応諾率を検討することとした。また、子宮頸がん予防を目的とするHPVワクチン接種の有効性を検討するために女子大学生のHPVワクチン接種状況によるHPV16・18 型の検出率の差を明らかにする予定だった。 しかし、Herswabブラシは国内では入手できないため、輸入手続きなどに時間がかかり、ブラシを購入できたのは2017年2月となった。そのため上記の研究計画は平成29年度以降に遂行する。
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