研究課題
昨年度に引き続き、DCP14日間曝露動物の解析を行った。14日曝露において、ハムスターの400ppm群において肝臓類洞の経度な拡張が観察されたが、壊死や線維化像は観察されなかった。200ppm群では肝細胞で空包が観察された。GSTM1:14日曝露実験では、肝細胞と肝管の両方でハムスターのGSTM1が発現していた。DCP14日曝露によって、ハムスターのGSTM1の発現は若干の増加をみたが、Balb/cAマウスでは変化がなかった。GSTT1:14日曝露実験の結果は、Balb/cAマウスとハムスターで7日間曝露実験と同様であった。Balb/cAマウスは肝細胞と肝管の両方でGSTT1を発現していた。ハムスターでは、GSTT1は、肝細胞と肝管細胞との両方で発現していたが、DCP曝露群と対照群との差は明らかでなかった。GSTPi:すべての動物いおいてGSTPiの発現が肝細胞より強かったが、DCP曝露群と非曝露群との間の明らかな差は見られなかった。Ki67:抗体によってそのKi67が認識されなかったGuineaPigを除いて、Ki67はラット、ハムスター、Balb/cAおよびC57BL/6Jマウスの肝細胞および肝管細胞において検出された。しかし、DCP曝露群と非曝露群との間の差は明瞭でなくかった。本研究の結果、DCP非曝露ラットと2つのマウス系統においてGSTT1が肝管細胞において発現していることがわかった。以上の結果、予想に反して、グルタチオンS-トランスフェラーゼの分布で種差を説明することが困難であり、適切な動物種選択には必ずしも役だたないと結論せざるを得なかった。
2: おおむね順調に進展している
適切な動物種の選択は困難であったが、P450による代謝との関係について検討を開始し、興味深い結果が得られ始めている。当初予期していない展開であるが、結果は新規性が高い。
P450阻害剤を用い、胆管の増殖変化をエンドポイントとした新たな実験を進め、DCPの胆管細胞増殖作用メカニズムを明らかにするとともに、適切な動物モデルを確立する。
少額であり、分析に必要な物品が購入できなかったため、次年度に持ち越こして有効に使用することとした。
旅費および分析に必要な消耗品を購入予定である。
すべて 2016 2015
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 3件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 3件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (34件) (うち国際学会 16件、 招待講演 2件) 図書 (3件)
The Journal of Nanoparticle Research
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
The Journal of Occupational Health
巻: 57 ページ: 394-417
10.1539/joh.ROEL2015.
巻: 57 ページ: 548-554
10.1539/joh.15-0085-OA.