研究課題/領域番号 |
26670344
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研究機関 | 独立行政法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
波多江 利久 独立行政法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (10251026)
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研究期間 (年度) |
2014-04-01 – 2017-03-31
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キーワード | ホルモン作用 / ヒト血球細胞 / ヒト単球由来細胞 / ヒトリンパ球由来細胞 / ヒト血管平滑筋細胞 / ヒト血管内皮細胞 / 細胞周期 / 細胞生死制御 |
研究実績の概要 |
循環器病克服へ向けた新しい治療・予防方法の確立を目的とし、特に、ヒト血球細胞に着目した細胞周期依存的な新規の性質を標的とする、新しい原理に基く治療・予防への分子機構の解明を進めた。動脈硬化性循環器疾患の発症・進展において、血球-血管壁細胞間の相互作用の理解と制御が極めて重要と考えられるが、まず血球系細胞が血管内皮に接着し、それ以降、どのように平滑筋細胞層へ移行し病巣形成へつながるのか、本質的な分子機構と原理は殆ど不明のままである。本研究は病巣形成の根本的な治療・予防の為のヒト血球細胞制御法の確立を目指し、本年度は、ヒト血球(単球由来)細胞のリガンド応答性について、系統的および客観的薬剤スキャニングによる情報伝達系プロファイリング解析を進めた。その結果、リガンドに対する細胞の挙動、特に細胞周期依存的な細胞生死制御に関与する情報伝達系と候補因子の同定、およびこれまで報告の無い新規の細胞応答性を見出した。現在、さらに詳細な解析を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
本研究におけるヒト血球細胞を用いた解析より、リガンドに対する細胞の応答性、特に細胞生死制御が細胞周期によって異なる原因と考えられる候補因子群、さらに、その細胞死は新しいタイプの細胞死(necroptosisと呼称されるシグナルで制御が可能な新規壊死機構)を含むことを新規に見出した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の推進方策(平成27年以降)も同様に、動脈硬化性循環器疾患の発症・進展メカニズム、特に、ヒト血球細胞に着目した新しい病巣形成の根本的な治療・予防の為の制御法の確立を目指し、新しいヒト血球細胞制御方法の解明と確立について、医学・薬理学の領域だけではなく、生化学・分子生物学の立場からも学術的に意義のある分子機構解明を推進する。
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次年度使用額が生じた理由 |
細胞周期依存性に関与する因子群と、新たに、これらが関与する従来報告の無い現象を見出し、詳細な解析を実施する為。
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次年度使用額の使用計画 |
解析用試薬、細胞培養用試薬および器具に使用する。
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