院内感染のアウトブレイクを早期に発見するために、月ごとの院内感染菌の検出状況の検討が、多くの病院で行われている。しかし観測された件数を解釈するための系統的な統計学的手順は確立されていない。本研究では院内感染の確率過程論的構造を明らかにするために、新潟大学医歯学総合病院におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)検出状況の時系列を解析した。その結果、MRSA検出の時系列は、Poisson過程の諸性質を満たしていることが明らかとなった。本研究の成果により、観測されたデータの厳密な確率値を計算し、統計学的に評価することが可能となった。
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