• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2016 年度 実績報告書

医療インシデントの発生における感情因子の分析手法に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 26670352
研究機関日本大学

研究代表者

根東 義明  日本大学, 医学部, 教授 (00221250)

研究分担者 森本 哲司  日本大学, 医学部, 准教授 (10344657)
渋谷 昭子  日本大学, 医学部, 助教 (20611619)
近藤 克幸  秋田大学, その他部局等, 理事 (30282180)
高橋 昌里  日本大学, 医学部, 教授 (60328755)
研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード医療安全 / 意思決定 / 感情 / 思考過程 / 小児科医
研究実績の概要

医師の業務は多彩であり、発生するエラーも様々である。近年Lernerらは、意思決定には感情因子が深く関係性を持つということを詳細に報告した。本研究では感情因子が医療事故の発生にも大きな関係性をもつはずであるとの仮説を立てた。この仮説を実証するため、小児科領域での事故事例に着目し、実際に報告された事故事例の発生過程を分析し、感情因子が実際に関係性を持っていたかどうかについての詳細な検討を行った。
事故事例を抽出するため、まず日本医療機能評価機構ホームページ(http://jcqhc.or.jp/)の医療事故情報収集等事業における公開データから、小児科医が関連する事故事例報告310件を抽出し検討した。小児科医が当事者でない68件と原因不明および不可避の事例47件を除外した結果、195件を分析の対象とした。事故の発生状況、エラーのタイミング、エラーのタイプ、エラーの発生要因について分類し、心理的状況を含めた小児科医師の思考過程が記載されている事例について検討した。感情因子については、Plutchikの感情の分類を参考にし、小児科医2名、内科医1名、看護師1名、心理学研究者1名、医療統計学研究者1名から成る研究チームで詳細な事例分析を行った。
小児科医が関わるエラーのタイプには、行為の意図内容自体に間違いがあったと分析された「ミステイク」が多かった。さらに感情因子という心理要因の強い影響が確認された。
感情因子を客観性に分析することは難しいが、今回初めて医療事例の分析に心理学領域で用いられている感情分類を適応したことで、医療事故の分析と対策の対象として感情因子の視点からの医療安全対策を推進できる可能性を明らかにすることができた。本研究は医療安全に関する新たな研究分野を開拓する第一歩であり、さらに感情因子の客観性を高めるための方法論に関する研究を展開したい。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 小児科での医療事故発生過程における 医師の感情因子の影響の検討2016

    • 著者名/発表者名
      市川 理恵、三澤仁平、前田幸宏、渋谷昭子、日紫喜光良、根東義明
    • 学会等名
      第11回医療の質安全学会学術総会
    • 発表場所
      幕張メッセ国際会議場
    • 年月日
      2016-11-19

URL: 

公開日: 2018-01-16  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi