群馬大学医学部附属病院の総合診療外来に通院している40歳以上の患者(合計200名)に対して、骨粗鬆症の診断に関するアンケート調査を実施した。アンケート調査に同意いただいた患者数は、93名(男;33名、女;60名)で、平均年齢は64.6歳であった。骨粗鬆症の診断を受けている患者数は、18名(男;5名、女;13名)で、骨粗鬆症の有病率は、男性で15%、女性で22%であった。 女性では、骨粗鬆症の診断を受けている患者は、診断を受けていない患者と比較して、高齢であり(67.0歳 vs. 62.0歳)、過去の最大身長と現在の身長との差が大きく(2.1cm vs. 1.4cm)、BMIが低く(20.5 vs. 21.6)、過去の最大体重と現在の体重との差が大きい(7.9kg vs. 6.1kg)傾向であった。男性でも同様に、骨粗鬆症の診断を受けている患者は、診断を受けていない患者と比較して、高齢であり(76.4歳 vs. 65.8歳)、過去の最大身長と現在の身長との差が大きく(3.8cm vs. 1.0cm)、BMIが低く(21.3 vs. 23.3)、過去の最大体重と現在の体重との差が大きい(10.8kg vs. 7.5kg)傾向であった。喫煙歴、飲酒歴、骨粗鬆症の家族歴などには、骨粗鬆症の診断を受けている患者と診断を受けていない患者と比較して明らかな違いを認めなかった。 以上、骨粗鬆症の診断を受けている患者は高齢であり、過去と比べて身長が低くなり、やせ気味で、過去と比べて体重が減っていることが明らかになり、過去の研究報告と一致するものであった。そして、骨粗鬆症の早期発見を促進するための簡便な質問法の開発を試みたが、アンケートの回収率が、46.5%(93名 / 200名)が低く、十分な検討が困難であった。今後、アンケート調査に同意いただく患者数を増やし更に検討を加える必要がある。
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