宿主と細菌との界を超えた相互作用(情報交換)が注目を集めている。本研究では、腸管管腔内のカテコラミン(CA)やセロトニン(5-HT)に着目し、その制御機構について検討した。脳室内corticotrophin releasing factorの投与によって腸管管腔内のCAが一過性に上昇した。腸管管腔内には生理活性を有する遊離型の5-HTが存在しているが、無菌マウスではその多くがグルクロン酸抱合されていた。糞便内から回収された腸内細菌はCAを含有していた。以上の結果は、腸管内腔にはCAや5-HTなどのモノアミンが存在しており、様々なストレス関連の病態を修飾している可能性を示唆するものである。
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