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2015 年度 実施状況報告書

Direct reprogramming法による疾患特異的肝内胆管上皮細胞の作製

研究課題

研究課題/領域番号 26670376
研究機関山形大学

研究代表者

上野 義之  山形大学, 医学部, 教授 (70282126)

研究期間 (年度) 2014-04-01 – 2017-03-31
キーワード胆管上皮細胞 / ダイレクトリプログラミング / アミラーゼ / レトロ・ウイルス / 遺伝子導入
研究実績の概要

本研究では厚生労働省の定める難治性疾患である原発性胆汁性肝硬変(PBC)における標的細胞である肝内胆管上皮細胞を、患者皮膚の線維芽細胞より近年報告されたdirect reproduction法を用いてiPSやES細胞といった幹細胞に戻ることなく分化させて、疾患特異的なin vitroの解析モデルを作成することを目的とする。
PBCは現在最適な疾患モデルが無く、治療法についても根本的な治療法はない。Direct reproduction法ではStem Cellに細胞を戻すことなく、またES細胞のような分化能を持たない細胞の形質転換法であり、Stem cellやES細胞に関わる様々な法的規制を受けないため、疾患特異的な研究には最も適した研究手法として期待される。
平成26・27年度はその因子決定のための基礎検討に費やした。手法としてはヒト線維芽細胞にレトロウイルスベクターを用いて、Hex, Gata4, Gata6, Tbx3, Hnf1a, Hnf1b, Foxa1, Foxa2, Foxa3, Hnf4a, Hnf6, Fahというヒト肝幹細胞から肝実質細胞への分化の際に重要とされる遺伝子群の中から、1分子ずつの削り込みを行い、得られた細胞の生物学的特性を検討した。
平成27年度は前年に引き続き、口腔内線維芽細胞に数種の遺伝子を導入することにより、胆管上皮細胞に近い膵管上皮細胞に特徴的なアミラーゼ産生を認める娘細胞用の細胞を作成することに成功した。この細胞が普遍的に膵管細胞としての特徴を保持しているかを検討するとともに、胆管上皮への形質転換を認める因子をさらに検索することが重要と考えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

口腔内線維芽細胞に遺伝子購入することは可能となったが、最終目標である胆管上皮細胞への形質転換には至っていないため。

今後の研究の推進方策

類縁細胞である膵管上皮細胞用への形質転換は可能となった。この点は大きな進歩であるが、本来の目標である胆管上皮細胞への形質転換を促すためにさらなる導入因子の策定を急ぐ必要がある。また、導入遺伝子の安定性についてもさらに検証が必要であり、この点についてはH27年度に作成したアミラーゼ産生細胞を用いてさらに検討を進める予定である。

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公開日: 2017-01-06  

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