研究課題
マイクロキャビティアレイ液体生検技術を用いて、肝細胞がん(肝がん)循環腫瘍細胞(CTC : circulating tumor cells)を特異的に検出する手法を確立し、治療後の患者を対象とした再発リスク診断法を開発した。CTC検出系の確立はin vitro実験系および臨床研究によって実施した。(1)肝がんCTC検出系の確立: 肝がん患者の末梢血液中を循環しているCTCを検出する実験系を確立するために、マイクロキャビティアレイの感度・特異性について検討した。(a)血球の通過性、(b)肝がん細胞株HepG2、Huh7、PLC/PRF/5を用いた検出系の確立(in vitro)において、肝がん細胞の特異的な検出率(回収率)はそれぞれ66%、76%、99%であった。さらに、肝がん細胞の定量性に関しては、腫瘍関連マーカーAFP、GPC3、EpCAM、ASGR遺伝子の発現量(mRNA)をreal-time RT-PCR技術にて確認した。(2)肝がん患者からのCTC検出;臨床研究: (1)で確立した検出系を用いて、肝癌患者19例、肝硬変患者(非担癌患者)11例、健常人7例の全血3mLより検出した。肝癌患者において89%(17/19)でCTCを検出した。進行度別のCTC数では血清AFP値(<4 vs. 4< ng/mL):3.9 vs. 97.3個(P < 0.05)、腫瘍個数(1 vs. 2< 個):13.0 vs. 79.3個、最大腫瘍径(<30 vs 30< mm):61.9 vs. 59.8個であり、進行と共にCTC数は増加傾向を示すことが分かった。
すべて 2017 2016
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